2/14 【テストジャンパーって何?】札幌w杯テストジャンパーやります
2/16〜18まで札幌でスキージャンプW杯が行われます!
残念ながら、今回選考落ちをしたためw杯には出場できません。
しかしテストジャンパーとして3日間、飛びます。
テストジャンパーって何?と思う方もいると思います。
今回は、テストジャンパーの仕事について書いていこうと思います。
テストジャンパーとは、試合前に試験飛行をしてジャンプ台が安全か、風の状況はどうなのか、など選手が飛ぶ前に飛び安全確認をする仕事です。
最近はテストジャンパーの仕事も変化してきていると感じています。
昔のテストジャンパーは滑走路の慣らしたり、テストジャンパーのジャンプをみて風の状況を審判が、スタートゲートを決めたり、着地点の雪の状況を確認したりしていました。
しかし近年アプローチ(助走路)はアイストラックと言われるプラスチック性のレールに氷を敷きその下には冷却装置が付いています。
昔は雪を踏み固めただけで、レールすらないアプローチを滑っていた時代から、かなりの進化が起こったと思います。
風に関してもジャンプ台に設置された7つの風向計でリアルタイムで風を確認することができるため、風の状況をテストジャンパーが確認する必要もなくなりました。
着地に関しても圧雪車が整備するので、雪が降らない限り問題はありません。
では今のテストジャンパーが必要な1番の理由はなんでしょう。
こんなに進化したジャンプ台でなぜ、テストジャンパーが必要なのか。
それはアプローチの霜剥です。
霜とは空気中の水蒸気が冷えて氷になったものです。これがアイストラックと非常に相性が悪く、霜が張っているとアプローチの滑りがとても悪くなります。
氷の下に冷却装置が24時間作動しているため、湿度が高くなったあとレールに霜が張りやすくなります。
この霜が張っている時と張っていない時では、時速2〜4キロの差があります。
時速1キロ差があるとトップ選手では10m〜15mの飛距離の差が出ます。それが4キロとなると、40m、優勝争いどころか予選すら通過できません。
この霜を取るにはとにかく滑るしかないのです。そのためにテストジャンパーが試合開始前に、20回ほど滑ります。w杯では15人ほどでテストジャンプを行い、滑走路を滑るようにします。
今週末のテストジャンプは国内トップレベルでw杯に出場できるレベルの選手が飛びますので、楽しみにしていてください。本当に、国内ランキング上位の15名です。(COCメンバー多数)
昔のテストジャンパーと今のテストジャンパーでは、役目が大きく違いますが、テストジャンパーがいないと競技がうまく進行できないのは今も昔も変わらないことです。
w杯がスムーズな進行ができ、観客が面白いと思っていただける、試合運営ができるよう頑張ります。
ぜひ、出場選手だけでなく、テストジャンパーのジャンプにも注目していただけたら、嬉しいです。
テストジャンパーたちの感動の物語が映画化されているので、ご興味ある方は確認してみてください。とても面白い映画でした。