2023/06/12 10:03
✍️特別編(前編)✍️ 「自分の選択からぶれない」鹿児島の岳連幹部が語る土肥選手の強さ
土肥圭太選手が所属している鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟 福岡彰さんのインタビュー記事を制作しました!
信じる「ムーブ」貫き通す
制限時間内でどれだけ多くの課題を登り切ったかを競うボルダー種目は「体を使ったチェス」と呼ばれる。
どのようなルートを進めばいいのか。選手たちは壁と対峙しながら、オブザベーションと呼ばれる競技前の下見の時間に攻略法をひねり出す。
「土肥君はそのオブザベーションがとても速い」。そう語るのは、土肥選手が所属する鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟で強化委員長を務める福岡彰さんだ。
周囲の選手がかける半分ほどの時間で道筋を見出し、ムーブと呼ばれる体の動かし方も複数のパターンを頭の中で導き出しているようにみえるという。
高校3年の時にブエノスアイレスユースオリンピック2018で金メダルに輝いた土肥選手。国内外の大舞台に挑んできた経験がなせる業なのかもしれない。さらに福岡さんは続ける
「現場で強い選手のムーブをみて、引っ張られて真似したりする選手もいますが、土肥君はぶれない。自分の選択を固めたら信じるムーブを貫き通す強さもあります」
ただ、福岡さんによると、そんな土肥選手もかつて競技場の外では「自分の選択」に迷いあぐねた過去があったという。高校卒業後、選手としてどのように歩んでいくか、だ。
(後編に続く)